トップページ > スペシャルコンテンツ(所長のつぶや記)

所長のつぶや記

2011年7月 被爆と受動喫煙

百日紅(さるすべり)子を待つ朝に咲きにけり
百日紅 軒端をしのぐ 花となり
先の句は長女が生まれたときに、後のは彼女が20才になったときに詠んだものです。 次の時代を担う若者たちの将来を考えると原発事故のいっときも早い完全な収束を望まずにはいられません。 さて、放射線の影響以上にごく身近な、子供たちの健康への影響が心配なものとして、今回は「受動喫煙」について考えてみたいと思います。 言うまでもないことですが、タバコを吸い続けることは被爆以上に、将来、発癌がもたらされる可能性が高いこと、これはどなたもご存知ですね。

 タバコ1本の中には4000種類以上の化学物質が含まれ、そのうち約60種には明らかな発癌性が証明されています。

 そして、タバコの煙というもの、直接吸い込む主流煙(水色ののカラム)よりも、火がついたところから出る副流煙(橙色のカラム)の方がはるかに有害物質を多く含んでいます。しかも副流煙の方が刺激性が強く、この煙の苦手な人にとっては吸う人以上に苦痛なわけです。

 この、1本のタバコが吐き出す煙を薄めるためには少なくとも50メートルプール2杯分の空気が必要と言われていますから、レストランなどでの中途半端な分煙では全く意味がありません。

 お父さんが換気扇の下やドアの向こうでタバコを吸っても、お子さんの体内にニコチンが入り込みます。これは身体や衣服にタバコが染み込んでいるからと考えられます。  将来を担う子供たちにはぜひとも、受動喫煙による健康被害が及ばない社会の実現が望まれます。  健康増進法に定められ、WHOのタバコ規制枠組み条約に加わっているからには、国を挙げて受動喫煙の被害防止に努めなければならないはずです。それでありながらそれが実現できないのは、それだけ深く、巧妙に、「原発村」ならぬ「タバコ村」がこの国に存在しているからに他なりません。  富士山の清掃など自然保護活動で有名なアルピニストが、震災の避難所に「ストレス解消に」とタバコを配り、愛煙家から感謝されたという話がありましたが、私はこれには違和感を覚えました。  相当にインテリジェンスの高い人でさえ、タバコの話となると頑として譲らないということがままありますが、それだけ深く、巧妙に、「依存症」が忍び込んでいるのです。これは趣味とか趣向という次元ではありません。「ニコチン依存症」という病気なのです。  スモーカーの皆さん、「禁煙外来」を訪れてみてください。禁煙のための薬が健康保険で処方されます。私自身、禁煙外来を持っておりますが、成功率はかなり高いです。  日本は今、根底からその行き方に再検討を求められています。これを機に、タバコのない世界、少なくとも「受動喫煙」という健康被害のない社会実現のために、人生におけるひとつの「リセット」、してみませんか?


                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
Trees are growing high, overwhelming their father's eyes, with the endless dreams.